タナと人間

タナさんのお世話係の人間の日記

初めての動物病院 パート3

初めての動物病院。人間はものすごく緊張していた。タナさんはもっと不安だっただろうな。問診票を書いて、症状を伝える。一応、譲渡のときももらったワクチン接種の証明書と健康診断の結果も持ってきていた。他に猫さんを連れている人はいなかった。犬さんが5匹くらい。タナさんは途中から鳴かなくなった。チラチラとタナさんの様子を見ながら待合スペースで待つ。待っている間、不安で手に力が入らない感覚があった。震える訳じゃないけど、フワフワする感じ。僕は不安が強かったり緊張したりすると、この症状が起こる。

テレビが流れている。街ブラ系。島谷ひとみが出ていた。千代田線のぶらり旅。スイーツみたいな石鹸、石鹸みたいなチョコレート、立体刺繍など。店に入るときの挨拶が不自然に感じて「ああいう街ブラ系のテレビって本当にぶらぶらして偶然見つけた店に入っている訳ではなくて、台本があって行く店が決まってて事前に『行きますよー』ってアポ取ってて、『当日はこんな感じで入るので、挨拶紹介お願いしますね』と伝えられてて、店の人は『テレビだ、いい風に見せなくちゃ、こんな風に挨拶しよう』なんて考えてるだろうな」「電車乗るときに周りの人のモザイクかかってなかったけど、絶対許可取ってないよな、大丈夫なのか」なんてあまり生産性のないことを考えながら、気を紛らす。たまに診察室への扉から診察台が見えて、先生の顔も見えて、みんな優しそうで安心した。ちゃんと数えていないけれど、30分、40分くらい待ったと思う。呼ばれた。

看護師さんに抑えられるタナさん。ちょっと動こうとしていたけど、終始お利口さんだった。熱を測ってもらって、身体を触ってもらって、目と喉を見てもらって。タナさんは震えたりせず鳴いたりせずじっとしてたけど、怖かっただろうな。保護猫カフェでは喧嘩番長で他の猫さんに喧嘩を

病院から帰ってきて不機嫌そうに見えるタナさん


って色々波乱を起こしていたみたいだけど、実はセンシティブなタナさんなのだ。センシティブビッグボーイ

つづく