タナと人間

タナさんのお世話係の人間の日記

初めての動物病院 パート4(おわり)

結果は、風邪。熱はなく、リンパ腺が少し腫れていたみたい。タナさんが家に来たのは2週間前だから、それまでは一緒に沢山の猫さんと暮らしていたし、環境の変化でストレスになっているかも、だそう。とりあえず1週間分の薬を処方するから、様子を見てください、と言われた。

ホッとした。大きな問題ではなさそう。タナさんにキャリーバッグに入ってもらって、受付で薬を受け取り診察料を払い、初めての動物病院を出た。初めての動物病院を体験したこと、診察が終わったこと、特に大きな問題じゃなかったこと、全てに安心した。外に出てから、またタナさんは「にゃーにゃー」言っている。「はいよー」「もうちょっと待ってね」と声をかけながらタクシーを捕まえて数分走り家に到着。はあ、良かった。安心安心。

ご褒美にチュールをあげようと思った。薬は朝と晩、チュールやウェットフードに混ぜて、と言われた。チュールに混ぜてみた。タナさんにあげた。喜んで食べるかな...と思ったら、「なにこれ」と明らかに様子がおかしそうな顔をし、どこかへ走り去った。そしてよく見ると、唾を垂らしている。吐き出そうとしているのだ。薬が入ってるのが分かったのか!一瞬、僕は「この野郎〜」と思ってしまった。なぜならタナさんは普段は食いしん坊が過ぎるのだ。おやつもボリボリ食べる。迎えて1日目、2日目を除いて、どんな食べ物でもボリボリムシャムシャ食べる。人間のおやつにも興味を示す(ダメだよー、と除けるので、食べたらダメというのは理解しているみたいだけど)。チュールなんて膝に乗って奪いにくる。

そんなタナさんが!!!おやつを食べないだと!!!猫は匂いでご飯を食べていると聞いたから、チュールと混ぜていたら普通に食べるのかと思っていた。意外や意外!意外と舌が肥えているのか、タナさん!びっくり!「この野郎、生意気にチュールを食べないとは...」と思ってしまった。新たな一面を知れた。グルメビッグボーイ

ちなみに、夜も薬をウェットフードと混ぜてみたら、1ペロして拒否。薬を混ぜていないウェットフードを横においてみたら、そっちは食べた。この野郎...と思ったけど、薬、まずいのかな。仕方ないね。でもどうにか飲んでもらう方法を探さないと...

という訳で、無事初めての動物病院、なんとか乗り越えました。頑張ったね、タナさん、抱っこして偉い偉いとナデナデしました。今は隣で、人間をダメにするクッションの上でいつも通り寝ています。このまま状態が悪くならないことを願っています。

初めての動物病院で新たな一面を見せてくれた、ビッグボーイのタナさんでした。

おわり

ウェットフードに薬を混ぜられて一旦退避するタナさん