タナと人間

タナさんのお世話係の人間の日記

僕で大丈夫かな

初めて猫を飼って、初めて動物を飼って、色々考える。「僕に猫の世話をできるかな」「他の所で生きていた方が幸せになれるんじゃないかな」って考えて、少し不安になることもある。まだトライアルだし、まだ数日しか経っていないけれど、僕で良かったのかな、と考えてしまうことがある。ちょっと考え過ぎなのかもしれないけれど、猫を飼うことを重たく捉えるのも、とても重要だと思う。

今日は猫を招き入れて初めて仕事に行った。タナさんには8時間一人で居てもらった。最初、保護猫の里親になることを考えたときは、二匹飼おうと思っていた。一匹だと、留守番中に寂しくなりそうだから。でも話を聞いていくと、性格的に一匹の方が過ごしやすい猫さんもいるみたい。タナさんと一緒に暮らしたいなと思って話を聞くと、タナさんは猫があまり好きじゃないみたい。いつも喧嘩を売っていたみたい。一匹の方が快適だと思う、とのことで週5日職場に行かないといけない僕にもトライアルの機会を与えてくれた。

今日はタナさんの顔を見ると、涙が出た。嬉しいような悲しいような。半日家を空けたのは初めてだったので、心配が強かったのかもしれない。僕は昔から不安、心配になりやすい。だから今日は仕事中も、タナさん元気でやってるかなー、ちゃんとご飯食べてくれてるかなー、お水もしっかり摂取してくれてるかなー、トイレは健康にできてるかなー、と度々頭の中で思っていた。

いつも(「いつも」と言っても一緒に暮らし始めて数日しか経っていないけれど、)タナさんは「にゃー」と鳴いてスリスリしてくれて、抱っこをするとゴロゴロ言いながら、更にスリスリしてくれる。そして数分が経つと、「よし、オッケーにゃ」と言っているような感じで、降りようとする。そして徘徊したりご飯を食べたりする。「気まぐれだな...」とその姿をいつも微笑ましく思っていた。

でも今日は違った。今日は僕がなぜか泣いていた。なぜ泣いているかもよくわからなかったけど、たまにこういうことがある。不安が暴れだす感じ。憂鬱が沈殿していく感じ。いつものようにタナさんを抱っこして膝に乗せると、今日はいつもより長い間座ってくれた。手を折り畳んで、団子みたいに丸まって、じっとしてくれた。途中から僕の足が痺れてきて、退いてもらおうかと思ったけど、何度か姿勢を調整してそのまま膝にいるタナさんをなでていた。

思い込みかもしれないけど、もしかしたら少し心配してくれたのかもしれない。気のせいかもしれないけど、僕が涙を流しているときに僕の顔を見上げてくれた。いつもだったら「もういっか」とスタスタと膝から降りていくのに、今日はじっとしてくれた。たまたまかもしれないけど、ありがとう、タナさん。

タナさんは僕のことをどんな風に思っているんだろう。知らない人間?飼い主?大きな猫?おやつをくれてトイレを掃除してくれる動物?いつかお世話係の友だち、くらいに思ってくれるようになるといいな。タナさんが暮らしやすいように、励みます。

今朝の眠そうなタナ